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なりたま通信所業務日誌


2012-05-16 [Wed]

H-IIA F21 打上げ観戦 1 日目

出発~島上陸

SAAB 340B (JA8887) H-IIA F21、本日は Y-1。それでは、本年最初のロケット打上げ観戦に出かけてまいります。始発電車で羽田空港へ移動し、JL1861 便 (JEX 運行)、B737-846 (JA314J) に搭乗して鹿児島へひとっ飛び。約 1 時間の待ちの後、種子島行 JN3761 便、SAA3 40B (JA8887) へ乗り継ぎ。今の時刻表だと、種子島行始発便に羽田から間に合うので便利ですなぁ。

5 ヶ月ぶりに帰ってきた種子島、雲が多いものの光量は十分な晴れ。レンタカーを受け取り、ひとまず南種子へれっつごー。

今日の TNSC

TNSC 宇宙科学技術館 まずはここの様子を見ないことには始まらない、TNSC。宇宙科学技術館受付で「しずく」ピンバッヂをゲット。以前に EOC で入手したピンバッヂは GCOM-W1 の名称のみだったけど、今回のは「しずく」愛称入りのもの。長谷とかの公式見学場所を利用しない者としては、早めに宇宙科学技術館を訪れて確保しておくに限ります。

1330 からの施設案内ツアーに参加してみる。団体客が入って、平日だというのに盛況です。例によって射点内には入らない打上げ前バージョン。IGS のときとは違って RCC は見学可能、打上げ直前の管制室内の様子が見られたのは僥倖です (その代わり撮影禁止)。

その後、浜の様子とか宇宙ヶ丘のアンテナをチェック、空港に寄って飛来機を確認しつつ、西之表に投宿。夜はいつもお世話になっている「魚匠 一条」さんとこに顔を出します。土産に当方の薄い本を進呈。


2012-05-17 [Thu]

H-IIA F21 打上げ観戦 2 日目

Y-0

アリラン 3 号の打ち上げ成功を祈る さぁ、いよいよ Y-0。延期等のバッドニュースは入ってきていないし、雲が出る可能性はあるものの天候も発射条件に抵触するほどの荒れはなさそう。打上げ予定時刻が深夜なので、機体移動は当然昼間。南種子の様子を見つつ昼前に TNSC 入りするつもりで、比較的ノンビリと西之表を出発。

南種子町の中心部、上中では打上げ成功祈願の幟がはためく。通常だと黄色の幟だけど、今回は同時打ち上げが KOMPSAT-3 なだけにハングル入りの特別バージョン、色も青色でいつもとは微妙に異なる光景。他にもハングル入りの歓迎看板が随所に掲げられて、街を挙げての歓迎ムード。

この後、宝満神社での打上げ成功祈願、茎永交差点の横断幕を記録し、TNSC へ。ちなみに、茎永で写真を撮っているとどこかで見覚えのある方々の乗ったレンタカーが通過していったんですが。

機体移動

VAB から姿を現した H-IIA F21 機体 前回 F20 のときと同様、大崎の浜から見ようと赴いてみたら、浜へ出るところのフェンスが閉じられ警備員が仁王立ち。どうもセキュリティが厳しくなって今回からは (次回以降も !) 浜からの機体移動見学は不可なんだと。なんてこったい…… 次善策として、竹崎射点からの望遠撮影に切り替えます。

竹崎に着いて、三脚やらレンズ交換やらのセッティングを行ううち、1120 から VAB 扉が開放。機体移動開始直前には KARI 関係者が大挙して見学に訪れ、俺の周囲は韓国語しか聞こえない状態。

1230、射場アナウンスが流れるとともに、ML に乗った機体が姿を現します。今回は 12 号機以来のデュアルローンチ、4/4D-LC フェアリングを使用した全長 57m のコンフィグレーションゆえ、機体を見たときは「長ッ !!」*1という印象。第 2 段液水タンク部が白く塗装されてフェアリングと同化して見えるのが、余計に長く感じさせるのかも。

いつものように、20 分程度で機体の動きは止まる。さぁ、明るいうちに機体の姿を記録しよう。

打上げ準備、着々と進行

夕闇迫る吉信 LP1 第 4 光学観測所入口、大崎射点傍の坂道、上里の路上とひと通りのアングルで撮影をこなし、いったん「湯」に赴いて定位置に三脚を据えて場所を確保、再度 TNSC へ。明るいうちに機体が姿を現すと、ごく普通の観光客も興味深げに眺めていたりして、そんな光景を静かに眺めるのも面白いもの。打上げに向けた高揚感と、島独特のノンビリ感が同居した空気もまた良し。

竹崎に来てみると、なにやら VAB 扉が開いていて「おや ?」と一瞬思ってしまいましたが、すぐ「ああ、ドーリーを VAB に戻すんだな」と思い当たる。ちょうど扉が閉まるところだったのでドーリーの姿は見えなかったけど、よく考えたら初めて見たわこの光景。射場作業の一端を確認できたのはささやかな収穫。

食糧を確保し、暗くなる前に「湯」に戻る。陽が落ちてからウロウロするのは何かと危険なので、このまま打上げまで居座ります (本当は温泉に行きたいところだけど……)。Twitter や、MHI のカウントダウンレポートを随時チェックし、第 2 回 GO/NOGO 判断が GO となったこと、その後の作業も順調であることを確認。ここまで来れば、もう何も怖くない。

*1 H-IIB は「デカッ !!」ですが、H-IIA は細身もあって「長ッ !!」となります。


2012-05-18 [Fri]

H-IIA F21 打上げ観戦 3 日目

X-60

日付が変わって 18 日、「湯」も徐々に見物客が集まってきました。そして第 3 回 GO/NOGO 判断は GO、X-60 のターミナルカウントダウン開始。当方も、公式飲料キメて撮影準備にとりかかる。

当初の気象予報とは異なり、雲ひとつなく天の川もハッキリ見える星空。時折上空を DAS の MU-300 と思しき機がフライパス。

リフトオフ !

H-IIA F21 0139、SRB-A 点火 ! 夜明けのように周囲を照らしながら上昇する機体、そして大気を揺るがす轟音。キタキタキター !! 夜間打上げはこれで 3 度目ですが、ビジュアル的なインパクトは昼間よりも遥かに大。しかも F18 のときと同様、星空に吸い込まれてゆくまで肉眼で追い続けられる (さすがに、SRB-A 分離シーンまで写真に収めるのは俺の腕では無理でしたが)。これで昨年からの好天下での打上げ連続記録を更新。いやはや、現地で直に見られた俺も皆さんも幸運です。

撤収準備をするうち、KOMPSAT-3 および「しずく」分離成功の報が届く。打上げ成功おめでとう !

西之表に帰投し、打上げ時の写真をアップして、暫し仮眠。お疲れさま~

今日の南種子

祝 打ち上げ成功 爆睡するかと思ったけど、普通に目が覚めてしまった。打上げ後の様子を見に南種子にでも行ってみるか。その前に、高速船ターミナルに寄って帰りの船を押さえておこう。難なく 20 日の便を確保したけど、今日よりも明日の便に満席が多いのが何とも。皆さん、今日は観光もしくは休息で明日に帰るという腹づもりなんでしょうね。

南種子、上中に来て少し待っていると、幟の祝賀バージョンへの差し替えが始まった。こちらの幟も特別版。いつもは打上げ後は赤い幟なのに、黄色い幟が並ぶと「これから打上げ ?」と思ってしまいます (←ねーよ)。

今日の TNSC

"しずく / KOMPSAT-3 / H-IIA F21"の表記 TNSC の職員食堂で昼食をとり、大崎の浜へ出てみる。さすがに打上げから半日も経てば浜に出るのも問題ないと見えます。当然、射点上には ML が居座っているわけで、真下まで近付いてみる。号数表記とミッションマークのデカール、機体に面する側は結構派手に焦げています。機体移動時に出られなかった腹癒せ (ぉぃ) に、何枚も写真に収めておくぜ。

増田宇宙通信所

MTCS ロケットテレメータ受信用アンテナ 天気も良いことだし、西之表に戻る前に増田にも寄ってみよう。構内に入ってみると……あれ、アンテナ増えてる !? 敷地奥側のロケットテレメータ受信用アンテナの傍に、昨年 9 月の時点では明らかに存在しなかったアンテナがもう 1 基。形状が似ているのでこちらもテレメータ用と推測しますが、同じ目的のアンテナを 2 基近接して運用する意味は無いでしょうから、おそらくは古いアンテナの老朽代替でしょうな。いずれにせよ、新発見なり。

あと、展示室見学の際にいただいた記念品のなかに MTCS オリジナルのピンバッヂがあった。オリジナルグッズまであるとは MTCS 侮りがたし。アンテナの件といい、やはり来てみてよかったよかった。

祝杯

なにやら打上げ後までネタの詰まった一日でしたが、今宵は諸々含めて「打上げの打ち上げ」です。いつものように、魚匠一条さんにお邪魔します。ぴゃーっ !


2012-05-19 [Sat]

H-IIA F21 打上げ観戦 4 日目

今日の種子島

非破壊試験棟進入路の舗装改修工事を行っています 予備日です。予定通り打ち上がってしまったので、する事当然ありません。テキトーにクルマを転がしつつ、西京ダム→天女ヶ倉→馬立の岩屋→千座の岩屋→TNSC と巡ってみる。

写真は、TNSC 内で見かけた工事看板。そうか、あの先にあるのは非破壊試験棟なのか。わぁいオープンソースインテリジェンス なりたオープンソースインテリジェンス大好き。

午後は「ここに寄らないと種子島に来た気がしない」施設のひとつ、河内温泉センターでひと休み。宿に戻って、打上げ写真に文字入れ加工を施し、エブリワンで A3 にプリントアウト。今回の島最後の夜にまたまたお邪魔した一条さんに差し上げておきます。

……あ、今回は喜志鹿埼も門倉岬も島間港も寄らなかったな、あら珍しい。


2012-05-20 [Sun]

H-IIA F21 打上げ観戦 5 日目

帰還運用

トッピー 2 (左) とロケット 本日は帰還日。好天続きの島でしたが、最終日にして雨模様です。

レンタカーを返却する際に、7 月の H-IIB F3 のときにクルマ用意できないか尋ねてみたら、既に予約は一杯だけど 1300CC クラスでよければ本土から取り寄せてくる*1とのことだったので勿論押さえてもらっておく。やっぱ訊いてみるもんだねぇ。それだけ懇意になっちまってるってことか。

1105 発のトッピー 2 で島を離れる。また 2 ヶ月後に帰ってくるよ~

大隅海峡は少々波が高かったものの、ほとんど遅れも無く鹿児島港到着。どうやら桜島が爆発したようで、高速船ターミナル周辺は灰だらけ、スマホの画面もものすごい勢いで灰まみれに。

直行バスで空港に移動し、空港内で軽くしろくまチャレンジをこなし、JL1874 便、B737-846 (JA322J) に搭乗。珍しく、明るいうちに羽田に戻ってきたなぁ。帰宅して、荷物の片付けや画像データの保存をしつつ、想いは 2 ヶ月後へ。

*1 そういえば、H-IIA F19 のときに借りたクルマは熊本ナンバーだったなぁ


2012-05-21 [Mon]

金環日食

……スミマセン疲れて寝てました orz