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なりたま通信所業務日誌


2012-05-17 [Thu]

H-IIA F21 打上げ観戦 2 日目

Y-0

アリラン 3 号の打ち上げ成功を祈る さぁ、いよいよ Y-0。延期等のバッドニュースは入ってきていないし、雲が出る可能性はあるものの天候も発射条件に抵触するほどの荒れはなさそう。打上げ予定時刻が深夜なので、機体移動は当然昼間。南種子の様子を見つつ昼前に TNSC 入りするつもりで、比較的ノンビリと西之表を出発。

南種子町の中心部、上中では打上げ成功祈願の幟がはためく。通常だと黄色の幟だけど、今回は同時打ち上げが KOMPSAT-3 なだけにハングル入りの特別バージョン、色も青色でいつもとは微妙に異なる光景。他にもハングル入りの歓迎看板が随所に掲げられて、街を挙げての歓迎ムード。

この後、宝満神社での打上げ成功祈願、茎永交差点の横断幕を記録し、TNSC へ。ちなみに、茎永で写真を撮っているとどこかで見覚えのある方々の乗ったレンタカーが通過していったんですが。

機体移動

VAB から姿を現した H-IIA F21 機体 前回 F20 のときと同様、大崎の浜から見ようと赴いてみたら、浜へ出るところのフェンスが閉じられ警備員が仁王立ち。どうもセキュリティが厳しくなって今回からは (次回以降も !) 浜からの機体移動見学は不可なんだと。なんてこったい…… 次善策として、竹崎射点からの望遠撮影に切り替えます。

竹崎に着いて、三脚やらレンズ交換やらのセッティングを行ううち、1120 から VAB 扉が開放。機体移動開始直前には KARI 関係者が大挙して見学に訪れ、俺の周囲は韓国語しか聞こえない状態。

1230、射場アナウンスが流れるとともに、ML に乗った機体が姿を現します。今回は 12 号機以来のデュアルローンチ、4/4D-LC フェアリングを使用した全長 57m のコンフィグレーションゆえ、機体を見たときは「長ッ !!」*1という印象。第 2 段液水タンク部が白く塗装されてフェアリングと同化して見えるのが、余計に長く感じさせるのかも。

いつものように、20 分程度で機体の動きは止まる。さぁ、明るいうちに機体の姿を記録しよう。

打上げ準備、着々と進行

夕闇迫る吉信 LP1 第 4 光学観測所入口、大崎射点傍の坂道、上里の路上とひと通りのアングルで撮影をこなし、いったん「湯」に赴いて定位置に三脚を据えて場所を確保、再度 TNSC へ。明るいうちに機体が姿を現すと、ごく普通の観光客も興味深げに眺めていたりして、そんな光景を静かに眺めるのも面白いもの。打上げに向けた高揚感と、島独特のノンビリ感が同居した空気もまた良し。

竹崎に来てみると、なにやら VAB 扉が開いていて「おや ?」と一瞬思ってしまいましたが、すぐ「ああ、ドーリーを VAB に戻すんだな」と思い当たる。ちょうど扉が閉まるところだったのでドーリーの姿は見えなかったけど、よく考えたら初めて見たわこの光景。射場作業の一端を確認できたのはささやかな収穫。

食糧を確保し、暗くなる前に「湯」に戻る。陽が落ちてからウロウロするのは何かと危険なので、このまま打上げまで居座ります (本当は温泉に行きたいところだけど……)。Twitter や、MHI のカウントダウンレポートを随時チェックし、第 2 回 GO/NOGO 判断が GO となったこと、その後の作業も順調であることを確認。ここまで来れば、もう何も怖くない。

*1 H-IIB は「デカッ !!」ですが、H-IIA は細身もあって「長ッ !!」となります。