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なりたま通信所業務日誌


2011-01-01 [Sat]

謹賀新年

2011 年、明けましておめでとうございます。本年が皆様ならびに俺様にとって良き年でありますように (←お約束)。

昨年 11 月中旬から日記更新が滞っておりますが、11 〜 12 月にかけて仕事が超多忙となり時間的にも体力的にも精神的にも余裕の無い状態だったもので。この間にも、内之浦の特別公開に遠征したり、新青森開業成った東北新幹線に乗りに行ったりと趣味活動は行っていますので、タイムマシン的な日記エントリが散発的に上るかも。

本年も、趣味活動に手を抜くつもりは毛頭ありません。今月は早速 H-IIB F2/HTV-2 の打上げが控えていますし。ただ、自分の満足だけで終わっても実りが無いし、何らかの形でコンテンツ化できないものかとここ数年来頭を悩ませているのですが、なかなか行動に移せなくてねぇ。

ともあれ、本年もよろしくお願いいたします。


2011-01-18 [Tue]

種子島へ行かなイカ

いよいよ H-IIB F2/HTV-2 打上げ観戦のために今年初の種子島へ旅立つときがやってまいりました。元日以来、さっそくサボリ癖が発動しまくっているこの日記も久々に更新がかかります。

今回は余裕を持って 2 日前に現地入りするスケジュールです。実のところ、報道関係者でもない素人にとっては打上げ前の日程に余裕を持たせるのはあまり意味が無く、2 日前の GO/NOGO 判断を見てから行動開始でも遅くはないんですが、天候不良等で島に渡れなくなるリスクを軽減するため、ということで。

種子島上陸

SAAB 340B (JA8887) JAL 1863 便 (A300B4-622R (JA0160)) 〜 JAC 3763 便 (SAAB 340B (JA8887)) の乗り継ぎで島上陸。いい天気だ ! いつも思うけど、島に来た日はたいていいい天気なんだよなぁ。そして打上げ当日まで徐々に天候悪化していくという……

レンタカーを受け取り、まず目指すは結局いつもの南種子。

今日の TNSC

PST の残骸が積まれた大崎射点と、PST の消えた吉信射点 宇宙科学技術館で受付を済ませると、予想通り (ぇ) 今回のミッションピンバッヂのゲットに成功。早めに現地入りして行動すると、こういう余禄があっていいねぇ。

そうそう、今回は LP1 の PST が撤去された様子を見ておかねば。望遠レンズで寄って見ると、下部が僅かに残っているようですが、遠目にはほぼ完全に撤去されたように見え、今までさんざん見慣れた射点とは異なる光景が現出。PST 上部に掲示されていた号数表記は、今後は H-IIB TF1 のように ML 上のアンビリカルマスト上に掲示されるのでしょう。してみると、PST 上の号数表示が空白となった H-IIB TF1 は、相当レアな光景だったんだなぁ。PST の残骸は、大崎射点の傍で絶賛野晒し放置中。

ひと通り見学を済ませ、ベースキャンプとなる西之表に投宿。さっそく飲みに繰り出したいところだけど、前夜が寝不足で疲れが抜けきれていないので、明日以降に備えおとなしく宿で休息。

Y-1 判断は GO

正確な打上げ予定時刻を確定させる必要があるため、今日中に必ず何らかのプレスリリースがあるはず。結局、打上げ 2 日前 (Y-1) での判断は GO とな。よーしよし。天候の方は正直「う〜ん」ですが。


2011-01-19 [Wed]

Y-0

おはようございます。今朝の西之表は曇天。今日一日、天候のほうは期待できそうにないなぁ。

本日 GO 判断が下れば、打上げ予定の 24 時間前から「打上げ当日 (Y-0)」のカウントダウンが始まります。当方の時間は十分あるので、見学場所の下見とか温泉とか、慌てずノンビリと過ごすとしませう。

今日の種子島

1200 頃の TNSC 吉信射点 まずは航空機の飛来状況を確認するべく空港へ。0900 頃の時点では MU-300 等はまだ飛来していなかったものの、ターミナルビル内に JAXA の展示スペースが開設されたのと、屋上に「到着便 30 分前から出発便 30 分後まで」の制限付ながら展望デッキがオープンしていたのが見新しいところ。

増田宇宙通信所の追跡用アンテナに外側から接近可能な場所を探してみたり、えびの湯跡やら長谷やら上里やらの見学ポイントをチェックした後、TNSC へ。やはり昨日よりはクルマが増えてきてるなぁ。昼食は職員食堂へ。しかし明らかに関係者でない一般客の姿が結構あるぞ。以前にもそういう光景を見たことがあるけど、いつの間に有名になったのやら、職員食堂。

昼頃にセンター付近では一時的に晴れ間が見えたけど、全体的には曇天続き。明日の天候はどうなることやら。午後は河内温泉センターで一休みのつもりで情報チェックしていたら……延期だとぉー !?

H-IIB F2/HTV-2 延期

JAXA からの正式なリリースは夕方になったけど、延期の一報を聞いて以降、温泉に浸かりながら以後の予定を再検討。「22 日以降」とは妙に微妙ながら、週間天気を見る限り、23 日よりは 22 日の方が天候的には幾分良さげ。おそらくは JAXA も可能な限り 22 日に打上げを想定しているはずと判断し、当方も 22 日打上げのつもりで行動することとします。

西之表に帰投後は、おなじみの「魚匠 一条」へ。この日、カウンター席でご一緒になった方がことごとくロケット見学客、しかも俺以外は全員「今回初めて」という奇妙な巡りあわせ。まぁ、いろいろな意味で面白いイベントではありますな、ロケット打上げ観戦は。


2011-01-20 [Thu]

今日の種子島

TNSC 竹崎 RCC 今日一日は丸々フリー。打上げが 22 日に再設定されるならば今日中に発表されるはずなので、情報チェックは欠かさずに。

いつのもように西京ダム→喜志鹿崎→カシミヤ橋→千座の岩屋といった具合に時計回りに島を南下、昼頃 TNSC 入り。空は低い雲がたちこめ、こりゃ今日の打上げはやっぱり無理だっただろうねぇ。昼食を食いに職員食堂に行ってみたら、昨日以上の大人気。食事後に外に出ると、RCC 屋上では光学追跡カメラが姿を覗かせていた。いよいよ打上げに向けた準備開始か。

H-IIB F2/HTV-2 再スケジュール

俺が宇宙科学技術館に居る間にリリース出ました。予想通り 22 日、時刻は 14:37:57。天候の方も、以前の予報よりも改善され 22 日はほぼ問題無さげ。まずは明日の Y-0 スタートが GO となりますよおに。

門倉岬 (←また島縦断かよ) の御崎神社で、明日の Y-0 開始と明後日の打上げ成功を祈願し、西之表に帰投。明日からに備え、ゆっくり充電。


2011-01-21 [Fri]

Y-0 スタート

大崎道路通行止のお知らせ 今日の種子島、日中は終日小雨模様。打上げ 24 時間前からの Y-0 がスタートできるかどうかが勝負どころ。というわけで、自分に何か出来るというものでもないのですが、様子見のために懲りもせず TNSC へ。打上げ時刻が当初より早まったこともあり、センター内立入規制も 1 時間前倒しで 0500 から。昼食は、3 日連続で職員食堂へ。雨の所為か、昨日よりは人少なめ。

午後は河内温泉センターでリフレッシュ。入浴中に延期の知らせが届いたりしちゃったら嫌だなぁ……と思っていましたが、幸いにもバッドニュースは無し。これなら Y-0 突入ということやね。そうとなれば、宝満神社で天候回復と打上げ成功を祈願。その後、空港に寄っていつもの MU-300 が飛来しているのを確認し、一旦宿に帰投。

機体移動

H-IIB F2 夕食を済ませてから、機体移動を見るべく南種子へ再進撃。機体移動開始は 2300 と聞いていましたが、それならば 2150 には VAB 扉開放があるはずと踏んで、余裕を見て 2030 頃、竹崎射点に到着。余裕見過ぎ。

2150、予想通り VAB 扉開放開始。この時点で、竹崎射点から見学していたのは俺一人。22 時を回ってから、少しずつ人が集まり始める。2300、機体移動開始のアナウンスが遠く射点方向から聞こえてくるなか、機体がロールアウト。 VAB2 から LP2 まで、4 度向きを変えつつ 30 分弱で移動完了。

センター内からいくつかのアングルで射点上の機体を撮影し、上里からの遠景を収めて、西之表に帰還。少し仮眠を。


2011-01-22 [Sat]

Everything is GO !

上里から見た夜明け時の射点 0500、仮眠から起床。作業が順調なら、センター内への立入制限が開始しているはず。チェックしてみると、燃料充填作業の GO/NOGO 判断は GO。泣いても笑っても、今日打ち上がるか 25 日以降に延期となるかの二択。X マイナス 0 の瞬間まで油断は出来ませんが、個人的な感覚からすれば、ここまで来ればもう怖いものは無し。0600 頃、南種子へ向けて出撃。

今回はいろいろ悩んだ末、えびの湯跡で見学するつもり。LP2 だと機体下部が見えないという難点はありますが、前回の TF1 が上里だったこともあり、湯からの見え方を確認しておく意味も。もちろん、湯に行く前に上里に立ち寄って夜明け時の射点全景を収めておくのはお約束。実を言うと、もう少し待てば朝日が昇るところを一緒に収められたのですが、そこまで頭が回りませんでした。だって寒いんだもん。

今日の南種子

JAXA 宇宙ヶ丘追跡所 0720 頃、えびの湯跡着。既に待機中の人もいたけど、当方の撮影場所の確保は無問題。いつものポジションに三脚据えて場所取り完了。

打上げ予定までまだ 7 時間もあるので、食糧調達のためにいったん離脱。ついでに、長谷とか他の見学場所の様子を覗いてみる。長谷も上里も、早い人はもの凄く早くから場所取りするけど、さすがに 8 時 9 時の時点では混雑するでも無し。朝一の飛行機やジェットフォイルで現地入りする向きは未到着だし、地元の方々がやって来るのは昼頃でしょう。

そうそう、上中バイパスの途中から宇宙ヶ丘追跡所のアンテナがよく見えることに今回気付きました。9 時過ぎには追跡体制でディッシュが横向きになったのを確認し、道端に三脚立てて超望遠で撮影。スゲェ怪しい人w

今日のえびの湯跡

打上げ 1 時間半前の湯跡 1030 頃、湯に帰還。この頃から、見学者が徐々に増えてきます。当方も、三脚の脚を伸ばして準備に入りますが、正午前後はまともに逆光となるのでカメラのセッティングは後回し。情報収集に努めるとともに、湯の状況を Twitter に流したり。

LP2 上の機体下部が隠れるのを敬遠されたのか、今回の湯での見学者は、マニアな諸兄よりも一般の方々のほうが人数的には多い感じ。もちろん、気合の入った人の装備は気合入っていますが。

聴取する無線からも、作業は順調との情報が伝わってくる。1330 頃、X マイナス 60 の GO 判断がでた模様。天候は快晴、風が冷たいものの打上げに支障するほどの強風は無し。

H-IIB F2 リフトオフ !!

H-IIB F2 定刻 14:37:57、リフトオフ ! やはり SRB-A 4 基付だけあって、見慣れた (ぇ) H-IIA よりも加速が鋭い。加えて、快晴の日中での打上げ、軌跡をどこまでも追いかけられる。こりゃ SRB-A 分離まで見られるか……と期待するも、風で流されたロケット雲か被ってしまい、湯からのアングルでは分離は見られず、これだけは残念。でも俺の経験した限り、日中の打上げでは過去最高のコンディション。やっぱり来て良かったぜ !

ちなみに、俺が種子島で見た打上げは、今回でちょうど 10 回目。

打上げ終わって

祝 H-IIBロケットの打ち上げ成功をお喜び申し上げます 湯から撤収後は、通行規制解除を待って TNSC へ。打上げ直後の LP2 の状況を確認。前回 TF1 のときもそうだったけれど、H-IIB の場合、機体固定位置がアンビリカルマストから離れているためか、SRB-A 4 基付にもかかわらず ML へのダメージは軽微に見えます。センターの外に出ると、茎永四叉路の横断幕は早くも祝賀バージョンに。毎度ながら、こちらも仕事早いねぇ。上中の幟はまだ打上げ前と変わっていなかったけど。

宿に帰還し、写真のバックアップを行った後は、恒例「打上げの打ち上げ」。行くはもちろん一条さんです。さすがに昨日からの疲労と寝不足は隠せず、宿に戻ったら日記の更新もせず速攻で寝てしまいましたとさ。


2011-01-23 [Sun]

屋久島へ

打上げが 2 日延びたために予備日も残り少ないこともあり、本日中に島を離れるつもりですが、ここでひとつ、屋久島観光のオプションを発動することにします。種子島へは何度も来ているもののお隣の屋久島は全くの未踏、でも観光客でごった返すオンシーズンには行く気が全くしないので、閑散期の今行っておこうかと。

西之表 0945 発のトッピーで島を離れる。次回の打上げ予定がいつになるか詳細は不明だけど、また来るぜ !

今日の屋久島

尾立ダム 1030、宮之浦港着。レンタカーを受け取り、早速島内ドライブに。一応、普通の観光っぽいこともしとかないと、というわけで、まずは安房の屋久杉自然館へ。種子島もよく見える場所で、屋久島から見た昨日の打上げの写真が早速掲示されていました。

この後、ある意味屋久島での最大のお目当て、尾立ダムを見学。なにせ荒川登山口に通じる林道の途中だけに、オンシーズンは一般車両の通行が規制され近付けないもので、短いオフシーズンのうちに行っておかないと。行ってみると、堤体上は案の定立入禁止、周囲も木々に覆われて堤体がよく見えないなど、写真を撮るにはイマイチだけど、離島には珍しいアーチダムを見られただけでもよしとしましょう。もちろん、荒川登山口まで行って森林軌道を少しだけ見ておくことも忘れません。

趣味的な目的は達成できたので、後は時間の許す限り普通の観光。ヤクスギランドを駆け足で巡り、南下して千尋滝、島一周して再び宮之浦、白谷雲水峡へ。ここで時間切れ、中まで入らず入口で写真だけ撮って空港へ移動し、クルマ返却。

帰還

さすがに、ロケット打上げのようなイベントの無いオフシーズンの屋久島では、日曜の最終便といえど空席の方が多い。JAC 3758 便 (DHC-8-Q402 (JA842C)) 〜 JAL 1878 便 (A300B4-622R (JA8375)) の乗り継ぎ。1878 便は、羽田の混雑の影響で出発が遅れたものの、飛んでしまえばジェット気流に乗り数分の早着。日付の変わる前には RTB 完了。