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なりたま通信所業務日誌


2010-09-01 [Wed]

H-IIA F18 準備状況

うーん、すっかり日記更新が遅れまくる癖がついてしまいやがりました。そろそろ元通りに戻さねば。

フェアリングの搭載も完了、ここにきて準備は順調のようで何より。今後のプレスリリースに注意しつつ、当方の準備も少しずつ始めるとしませう。今週末には打上げ当日が週間天気予報の範囲になるので、こちらも要注意。


2010-09-09 [Thu]

H-IIA F18 まであと 2 日

「打上げ延期」などというプレスリリースが出ませんようにとビクビクしつつ、明日からの年休に備えて片付けるべき仕事を大急ぎで片付け、帰宅後は荷造りに精を出す。本日、とりたてて何も発表が無かったということは、2 日前の GO/NOGO 判断をパスして予定通りの打上げに向けて作業を進めるということやね。

チェックをサボっていたけど、ノータムも 6 日付で発行されています。

061749 RJAAYNYX
(0011/10 NOTAMN
Q)RJJJ/QWMXX//M/EW/000/999/
A)RJJJ B)1009060428 C)1009111247EST
E)REF AIP SUP 101/10 ITEM 1,2,3
ROCKET H2A-F18 WILL BE LAUNCHED
LAUNCHING DATE/TIME : BTN 1117 AND 1216 ON 11 SEP 2010
F)SFC G)UNL)

気象情報を見る限り、当日は一時にわか雨の可能性があるものの打上げ自体に支障は無さげ。明日の島上陸も問題無さそう。むしろ 12 日以降の天候が不安定なのが気に掛かる。


2010-09-10 [Fri]

出発

おはようございます。これより、H-IIA F18 打上げ観戦に出発いたします。現地からの速報は Twitter でも流す予定ですので、あわせてよろしく。

鹿児島へ

まずはいつものように鹿児島までひとっ飛び。JL1867 便、A300B4-622R (JA8561) で鹿児島空港着。いつもより霧島連山がよく見えると思ったらおもむろに左旋回、珍しく R/W16 での着陸です。鹿児島は雲はあるものの良い天気。

鹿児島での乗り継ぎには余裕を見ないと安心できない性格ゆえ、3 時間近いトランジット。もちろん、情報収集に励みます。現地の気象情報は、打上げに支障するほどではなさそうなものの、微妙に不安定でにわか雨に注意。柴田さんの Tweetによると、明日の機体移動は 0700 とのこと。早起きしなきゃ。

種子島上陸

SAAB 340B(JA001C) JN3771 便、SAAB 340B (JA001C) は、通常通り R/W31 にて種子島空港にランディング。4 ヶ月ぶりの種子島、現地はいい天気だねぇ。いつものレンタカー店からクルマを受け取り、まずはやはり南種子へ。

今日の TNSC

今日の吉信射点 上中の打上げ成功祈願の幟、宇宙ヶ丘公園の打上げ告知看板といった一連のお約束を眺め、TNSC へ。宇宙科学技術館は既に閉館しているので、竹崎とロケットの丘から射点を遠望するにとどめておきます。当然ながら、射点上のサインは F18 に更新済み。

明日の規制開始時刻を確認し、陽の傾くなか島を北上、西之表の民宿に投宿。初日から短時間のうちに島縦断とは、トバし過ぎ。夕食は、前祝を兼ねて、お馴染みの「魚匠 一条」へ。

Y-0

打上げ前日の天候判断で GO が下ったため、打上げ 24 時間前からの Y-0 カウントダウンに突入。以降は MHI のカウントダウンレポート等を参考に行動を。


2010-09-11 [Sat]

機体移動……は見に行けず

機体移動は 0700 から……というわけで、4時に起きていざ出発しようと思ったら、なんとクルマの前に駐車されて身動きとれない状態 orz。まさか種子島で斯様な仕打ちにあおうとはねぇ。朝早過ぎゆえどうしようもないので、機体移動見物は諦め二度寝。ぐよぐよぐよー。

今日の TNSC

LP1上の18号機 機体移動も終わった 7 時半頃になってクルマを出せるようになったので、改めて南種子へ出撃。先に (元) えびの湯へ赴き、撮影場所をとっとと確保。ここに来て三脚 2 本分のスペースを確保できないとなっては踏んだり蹴ったりですから、早め早めの行動を。

TNSC もまだ規制開始前、センター内のアングルから射点上の機体を撮影。今回はセンター内から機体を撮影できただけで我慢するとしよう。それにしても、いい天気です。今夜の気象予想も改善したようだし、晴れの夜間打上げに期待。

今日の南種子

宇宙ヶ丘追跡所 宝満神社で打上げ成功祈願を済ませ、遅い朝食の後、河内温泉センターで入浴あんど小休止。リフレッシュの後、門倉岬へ赴き御崎神社でも打上げ成功を祈願。神頼みし過ぎ。

ふと思い立って、宇宙ヶ丘追跡所に行ってみると、案の定、レーダアンテナとテレメータアンテナが射点方向を向いて追尾準備中。おお、この光景って未だ見たこと無かったなぁ。

上中に戻り食糧を調達、そろそろ打上げ観戦準備に向かうとしませう。

今日の (元) えびの湯

(元) えびの湯にて 上里に立ち寄って射点正面からの画を押さえた後、16 時前にえびの湯へ。やはり週末だけに、既に場所取りも多いねぇ。もちろん俺は無問題ですが。17 時を過ぎた頃から、続々と観客も集結。

X マイナス 120

打上げ 2 時間前。現在のところ、打上げ作業に関する懸念事項は伝えられていません。現地の天候は晴れ。射点付近および上空に雲はほとんど見られません。このままいけば大変良い夜間打上げ光景が見られるか。ワクワク。

X マイナス 60

打上げ 1 時間前の GO 判断が出ました。ターミナルカウントダウン開始。当方も、撮影体制に入ります。

H-IIA F18 リフトオフ !

H-IIA F18 定刻 2017、SRB-A 点火。周囲を夜明けのように明るく照らしながら轟音と共に上昇する機体。今回、雲ひとつ無い晴れた夜空ゆえ、遠く飛び去ってもなお噴射炎を光点として追い続けることができます。分離した SRB-A が赤い光点となってゆっくり落下するさまと合わせ、約 5 分にもわたって追いかけることができました。ついさっきまで目の前にあったロケットが、数分後には星の群れの中に溶け込むまでに飛び去ってしまうスケール感……いやはや、晴れた夜間打上げがこれほどまでに凄いものかと。

18 号機の光点が (えびの湯から見て) 山の向こうに隠れて見えなくなると、ギャラリーから一斉に拍手が起こる。うんうん、こんなに凄い打上げ光景を見られた皆さんは本当にラッキーです。

祝杯

西之表に戻ると、速攻で一条へお邪魔し、祝杯を。本日は関係者の「打上げの打ち上げ」もあって営業時間を延長していたこともありますが、結構長居してしまいました。やはり打上げ成功後の酒は格別やね。特に今回のような素晴らしい打上げ光景を見た後は。

H-IIA F18 打上げ動画

今回の打上げ動画を YouTube にアップしました。既に翌日になっていますが、便宜上、打上げ当日の日記に貼っておきます。

CCD のスミアが気になりますが、夜間打上げ時の「夜が明けたかのように周囲が明るく照らされるさま」は伝わるかと。飛び去ってしまうとすぐに真っ暗になり音だけになってしまいますが。


2010-09-12 [Sun]

今日の南種子

祝 打ち上げ成功 今回の種子島行、予備日を考慮して 14 日に島を離れるつもりで予定を立てたため、今日明日と丸二日もフリーに。慌てて帰らないといけない理由も無いので、休息も兼ねて当初予定通り島に居残ります。

本日は、打上げ成功後の上中の様子を見に、またも南種子へ。たまに、幟や横断幕が新しくなって文言が変わることがあるので、一応毎回チェックは欠かせません。結論からいうと、前回 F17 のときと全く変わり映えは無し。

TNSC に行ってみると、施設案内ツアーは 12 時過ぎの時点で全て満席。やはり日曜に加え打上げ翌日で訪問者が多いのかねぇ。

そんなこんなで、西之表に帰投。明日はどうやって時間を潰すかねぇ。


2010-09-13 [Mon]

今日の種子島

広田遺跡傍から見た吉信射点 今日も今日とて、島を北から南までウロウロと。島内の見どころはこれまでに大概見ていますが、天気も良いことだし写真の撮り直しも兼ねて。

というわけで、喜志鹿崎→西京ダム→天女ヶ倉→カシミヤ号漂着地→馬立の岩屋→戸畑の煙突→男淵女淵の滝→男龍女龍の岩→坂井神社の大ソテツ→古市家住宅→千座の岩屋→広田遺跡→TNSC→前之浜海浜公園→門倉岬と、またしても最北端から最南端まで縦断。広田遺跡傍から吉信射点を見ることができる*1ことを発見したのは収穫。あと、本日 14 時過ぎの時点で ML は 既に VAB に戻った後でした。

ひと通りの島縦断見物を済ませた後は、河内温泉センターで小休止し、遅くならないうちに西之表に帰投。さて、ベースキャンプ撤収の準備をしとかないと。

*1 立入規制範囲内なので、ここから打上げを見ることは不可能。


2010-09-14 [Tue]

島離脱

トッピー7@西之表港 本日はいよいよ島から離脱。これまでの経験から、高速船であれば便を選り好みしなければたいてい空席にありつけるので、打上げ延期等で事前に予定の立て難い帰路はあえて無予約で臨むことも最近は多い。本日も、さすがに打上げ 3 日後ともあって見事に全便「空席あり」。早過ぎず遅過ぎない時間帯ということで、1105 発の鹿児島行を押さえます。西之表港の岸壁で入港を待ち構えていると、やって来たのは「トッピー 7」。おお、俺の初めての打上げ観戦、4 年前の H-IIA F9 のときに往復で利用したフネ*1だ。随分久しぶりだねぇ。

そんなこんなで、種子島を後に。次は 4 ヶ月後の H-IIB F2 だ !

*1 当時の船名は「トッピー 4」。俺が乗った直後に流木衝突事故を起こして、復旧後に改称。

今日の 485 系

きりしま9号@竜ヶ水駅 鹿児島港に無事到着するも、羽田への航空券は明日の最終便を押さえているので、それまでは完全フリー。今日のところは鹿児島市内で泊まるとして、それまでは南九州の絶滅危惧車 485 系を捕獲しておこうと「鉄」に転進。

とうわけで、ほとんどノープランながら竜ヶ水へ移動。着いてみれば、相対式ホームの 1 番線から下り列車を狙えば光線的にも問題無いので、日が陰るまでの約 2 時間の撮影タイム。メインターゲットの「きりしま 9 号」も結果的にほぼ狙い通りの画が得られて満足。

鹿児島中央に戻り、駅近くに投宿。


2010-09-15 [Wed]

今日の USC

あかつきくんと交信中?のうっちーさん(小) H-IIA F18 打上げ観戦のために確保した年休も今日が最後。最終の羽田行までほぼ丸一日空いているので、せっかく鹿児島まで来ていることだし、久々に「うっちーさん」でも見ておこうかと、内之浦行を思い立つ。

というわけで、レンタカーを空港返却で調達、桜島フェリー経由で大隅半島へ渡る。昨日までの晴天とはうって変わって曇天、高山辺りでポツポツと雨粒が落ち始める。こりゃ国見トンネルを抜けると雨かなぁ……と思ったら、その通り。コスモピア内之浦で昼食に「えっがね定食」3500JPY 也を奮発しつつ、雨が収まらないものか様子を見るも、少しは雨脚が弱まったものの止む気配は無し。こりゃ大降りになる前に見ておいた方が良いなと判断し、USC へ突撃。

所内では、34m は訪問時は終始天頂格納だったものの、20m は仰角を付けた状態。傍に行ってみると、方位角がじわりじわりと動いているのが判る。赤色灯も点灯しており、明らかに電波送信中。というわけで、交信相手はおそらく金星探査機「あかつき」でしょう。天候は悪いけど、これをリアルタイムで見られただけでも来た甲斐はあったぜ。

この後、M 台地から宇宙科学資料センターをひと通り眺めるうちに、時刻は早や 15 時半。こうも雨が止まない状態だと他を見て回る気も起きないし、空港までの移動を考えると時間的余裕も少ないので、おとなしく撤収。途中、高隈ダムのクレスト放流という余禄あり。

空港でクルマを返却、夕食に黒豚カツ丼をいただき、JL1878 便、A300B4-622R (JA012D) に搭乗して帰路に。のんびり休む間もなく、明日から通常勤務に復帰だぜ。


2010-09-24 [Fri]

群馬ダム巡り (1)

丸沼ダム いかん、今年はまだ新規のダムを 6 基しか訪問してないぢゃないか。せめて年内 10 基以上は片付けるべく、冬になる前にもう少しダム巡りをせにゃ。

というわけで、関東のダム銀座、群馬へ。高崎でレンタカーを手配し、まずは、利根川上流ダム群 7 基のうち唯一未踏となっていた薗原ダムを中心に、片品川方面を攻めます。

最下流の平出ダムは、前日の雨の影響もあってクレスト放流中。周囲の道路が狭いのと、フェンスに囲まれ下流面の写真が撮り辛い*1ほかは問題なし。その上流、薗原ダムは、前日夕方から放流開始していたものの元からダム湖が大きくないこともあり、俺が着いたときには既にバルブ放流になっていてゲート放流は見られず。無論、年休取って平日に訪問しただけに、平日のみ配布のダムカードは忘れずゲット。

さらに上流に遡り片品村、バットレスで重要文化財な丸沼ダムへ。堤体は立入禁止で、左岸の堤体上部傍から柵越しに見るのと、同じく左岸の大尻沼湖畔から見上げるのがお手軽な見物方法ですが、20 分程歩く労力を厭わなければ、右岸から大尻沼越しに堤体下流面を眺められるポイントがあるので、せっせと山歩き。うーん、天気が良ければもう少し画になったんだけどねぇ。曇天下で画になるダムの撮り方をもっと勉強せにゃ。

*1 こんなこともあろうかと、今回は D5000 を投入。バリアングル液晶とライブビュー大活躍。

みなかみダムカレー

みなかみダムカレー@道の駅みなかみ町水紀行館 丸沼ダム見物後は、水上へ出て「道の駅みなかみ町水紀行館」へ。奥利根のダム群を抱えるみなかみ町は、現在「みなかみダムカレー」で町おこし中。ダムカレーを提供するところはいくつかあれど、クルマ利用ならば道の駅が一番手っ取り早いでしょう。

さすが、ダムマニア宮島咲さんが手掛けただけに、堤体下流側には洪水吐を表現した福神漬以外のものが無い、正統的なアーチダムカレー。ご飯の量を稼ぐためか、堤体が若干肉厚なのはご愛嬌。味のほうも、昨年三州家で食したのとよく似た、マイルドな味わい。ごちそうさまでした !

この後、渋川まで下って投宿。


2010-09-25 [Sat]

群馬ダム巡り (2)

野反ダム 本日は、吾妻川方面のダムを巡る方向で。

吾妻川といえば、昨年の今頃はさんざん話題になった割には今やすっかり全国区の話題に上らなくなった、八ツ場ダムの建設予定地。ダムサイト予定地はとりたてて見るものもないので、八ツ場ダム広報センターやんば館と、橋桁のほぼ繋がった 2 号橋 (仮称) を眺める。

長野原から旧六合村方面へクルマを走らせ、品木ダムへ……行くつもりが、白砂ダムの方へ来てしまった。そのまま北上し、野反ダムへ。高地だけに冬季到達困難となるので、行けるときに行っとけというのも今回の目的。昨日の丸沼ダムのようなバットレスダムも珍しいけど、野反ダムも負けず劣らず希少な CFRD。

山を下り、今度こそ品木ダムへ。おぉ、ダム湖がまるで温泉のようだ。この後、草津町の中和工場*1を訪れ、湯川へ石灰を投入する現場を見学。

というわけで、昨日と合わせ 6 基を攻略して高崎帰着。さすがに近場では効率よくダムを見て周れるところは減ってきたなぁ。年内にもう数基くらいは訪問しておきたいところだけど。

*1 品木ダム水質管理所。品木ダムのダムカード配布場所はダムサイトの管理事務所ではなくこちら。