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なりたま通信所業務日誌


2006-02-18 [Sat]

いざ種子島へ

只今、鹿児島港北埠頭旅客ターミナル待合室。いやー、判りやすい人達が多いですなぁ。あまり人のことは言えない気もしますが、飛行機内持ち込み可能なサイズの荷物しか持ってないうえに三脚も無いから、皆様ほどあからさまぢゃないぞ俺は。

乗船するは「トッピー4」。そういや、船で種子島入りするのもお初だな。

吉信射点(の近くに)到着

H-IIA F9@吉信第1射点 西之表港に着くと、レンタカー店の出迎えが多い多い。俺を迎えてくれた店の人もビビッてました。R58を南下する道中も「わ」ナンバーが妙に目立ちます(←含む俺)。

車を40分少々走らせ、広田漁港北側の見学ポイントに到着。「えびの湯」と言えば判る人には判るはず。確か警戒範囲のギリギリ外側、おそらく一般人が最も間近で打ち上げを見られるポイント。レンズは600mm(35mm版換算)でちょうどいい感じに収まる程度。この日のために大枚はたいたE8800とテレコンが活躍するぜ。肝心のロケットの前に避雷鉄塔が被ってしまってますが、リフトオフしてしまえば無問題。

只今12時。リフトオフまであと3時間と27分です。

H-IIA F9 lift off!

H-IIA F9 13時頃までは文句無しの青空だったのが、1時間も経つと厚い雲に覆われてしまう。日が陰ると画にならないばかりか、シャッター速度が稼げず寒さで震えて手ブレの原因になるので勘弁して欲しいんですが、こればかりは以下略。

60分前、ターミナルカウントダウン開始。この頃から地元の見物客で混み始める。15時の時点でトラブルの報告は無し、以降は撮影に専念することに。相変わらず、日は陰ってますが。

2分前、合図の花火発射。どこからともなく関係者の無線が聞こえてくるので(電波法的には良いのか?)、心の準備もOK。

カウントダウンゼロの瞬間、SRBのオレンジの炎が目に映る。さすがに4.7トンものペイロードを搭載している所為か、心なしか上昇がゆっくりなように見えます(と言っても、実際に見たのは今回が初めてだけど)。やがて届く轟音は、確かに「バリバリバリバリ……」というアレ。ありきたりな表現で申し訳無いが、ほかに表現のしようが無いんだもん。燃焼ガス噴射が絶え間無く大気を叩く音、なるほどこれが「ロケットの音」ですか。ファインダー越しの追跡に夢中だったためか、10秒後、20秒後のSSB点火には全く気付きませんでした。まぁロケット初体験じゃしょうがないな。

発射時刻になっても結局雲は切れず、H-IIA 9号機は20秒程で雲の中に消えて行きました。当然、SRB分離なども見ることはできません。

車に戻り、撮影画を早速チェック。うーむ、シャッターボタンを離すのが早過ぎたか、一応リフトオフはしているものの鉄塔が被ったままのヤツが2枚と、飛翔中のカットが5枚、以上。ブレ気味のカットも多く、やはりシャッター速度を稼げなかったのは痛かった。あと、連続撮影時のCFへの書き込み待ちが辛い。画質を採るかサイズを採るか撮影速度を採るか、悩ましい問題だぜ。

打ち上げアフター

打ち上げ後30分でTNSCの立入制限は解除されるので、もうロケットは居ませんが一応行ってみます。ロケットの丘から、射点に取り残された移動発射台を視認。後から写真で確認した限りでは、SRBの噴射炎に焼かれた痕跡は意外にもほとんど見られず。大小6本ものブースター抱えてた割には……って、SSB点火はリフトオフ後でしたね。

宇宙科学技術館は臨時休館なのでそのままスルーし、追跡所のある宇宙ヶ丘へ。追跡を終えた2基のパラボラが水平線方向を向く姿を確認。もっとも、正面からのアングルは見られる場所が見当たらず、背面しか見られませんでしたが。

上中の街を走っていると、「ロケット打ち上げ成功おめでとう」の幟を飾っている真っ最中。なるほど衛星分離まで確認されたわけやねと、俺はこの光景で成功を確認。

西之表へ戻る途中、もうすぐ新空港に取って代わられる種子島空港に立ち寄り、これまた退役間近のYS-11を見物。エプロンには、三菱マーク入りの小型ジェットに航空局のサーブ2000の姿も。やっぱ偉いさん用?

種子島は今回で4度目なれど、いつも鹿児島から飛行機で日帰りばかりだったから、島内泊も今回がお初。某民宿の本日の宿泊客は、案の定全員が同じ目的。宿のおやじさん共々、焼酎で祝杯をあげます。おそらくその場の全員が「お前ら、マニアック過ぎ」とお互い思いつつ、宇宙にいちばん近い島の夜は更けてゆきましたとさ。