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なりたま通信所業務日誌


2009-10-17 [Sat]

JAXA 筑波宇宙センター特別公開

ETS-VIII ポータブル端末 春秋恒例の TKSC 特別公開、このところ新ネタには少々乏しい感がありますが、先日の H-IIB TF1/HTV-1 絡みで話題はあるかな。実際、職員による H-IIB/HTV に関する講演が一番面白いところだったような。

4 年間という短期間*1で新型ロケットを開発できたのは、H-II/H-IIA で培った技術の蓄積の賜物で、開発試験と機体製造をオーバーラップさせて進めることができたためだそうな (それでも、フェアリングの開発には最後までヒヤヒヤさせられたわけですが)。質疑応答のなかで、「燃料充填後の打上げ延期は 3 日後になる」と JAXA の中の人の言質を取ることができたのは、打上げ観戦に行く者としてはささやかな収穫であります。それにしても、「機会があれば、種子島へ打上げを直に見に行って欲しい」と中の人が語るのをそこかしこで耳にしたのが笑った。ここ、筑波だよねぇ ?

衛星関連では、先日より愛称一般公募の始まった準天頂衛星*2 (QZSS) に妙に力が入っていました。展示パネルによれば、沖縄宇宙通信所に QZSS 用アンテナが新設されているらしい。おおっ、と思ったけど、レドーム入りのようなのでパラボラ萌え的にはイマイチ。

写真は、JAXA が秘密裏に開発していた新手のパソコン兵器……ではなく、ETS-VIII 用ポータブル端末。内蔵アンテナのサイズで 512kbps を実現するそうな。確かにワイドスター衛星電話端末よりは高速だわな。

その他、HTV 2 号機以降で使用される予定の宇宙仕様 LED ライト等、小ネタをいくつか仕入れて帰路に。

*1 予算規模等の点で往々にして「クレイジー」と諸外国から評される日本の宇宙開発、H-IIB の開発期間についても「気違いじみている」と言われたらしい。

*2 「見上げれば 宇宙 (そら) から照らす 道しるべ」とのコピーから思い付いたのは「どうてい (道程)」……高村光太郎かよ !