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なりたま通信所業務日誌


2011-01-22 [Sat]

Everything is GO !

上里から見た夜明け時の射点 0500、仮眠から起床。作業が順調なら、センター内への立入制限が開始しているはず。チェックしてみると、燃料充填作業の GO/NOGO 判断は GO。泣いても笑っても、今日打ち上がるか 25 日以降に延期となるかの二択。X マイナス 0 の瞬間まで油断は出来ませんが、個人的な感覚からすれば、ここまで来ればもう怖いものは無し。0600 頃、南種子へ向けて出撃。

今回はいろいろ悩んだ末、えびの湯跡で見学するつもり。LP2 だと機体下部が見えないという難点はありますが、前回の TF1 が上里だったこともあり、湯からの見え方を確認しておく意味も。もちろん、湯に行く前に上里に立ち寄って夜明け時の射点全景を収めておくのはお約束。実を言うと、もう少し待てば朝日が昇るところを一緒に収められたのですが、そこまで頭が回りませんでした。だって寒いんだもん。

今日の南種子

JAXA 宇宙ヶ丘追跡所 0720 頃、えびの湯跡着。既に待機中の人もいたけど、当方の撮影場所の確保は無問題。いつものポジションに三脚据えて場所取り完了。

打上げ予定までまだ 7 時間もあるので、食糧調達のためにいったん離脱。ついでに、長谷とか他の見学場所の様子を覗いてみる。長谷も上里も、早い人はもの凄く早くから場所取りするけど、さすがに 8 時 9 時の時点では混雑するでも無し。朝一の飛行機やジェットフォイルで現地入りする向きは未到着だし、地元の方々がやって来るのは昼頃でしょう。

そうそう、上中バイパスの途中から宇宙ヶ丘追跡所のアンテナがよく見えることに今回気付きました。9 時過ぎには追跡体制でディッシュが横向きになったのを確認し、道端に三脚立てて超望遠で撮影。スゲェ怪しい人w

今日のえびの湯跡

打上げ 1 時間半前の湯跡 1030 頃、湯に帰還。この頃から、見学者が徐々に増えてきます。当方も、三脚の脚を伸ばして準備に入りますが、正午前後はまともに逆光となるのでカメラのセッティングは後回し。情報収集に努めるとともに、湯の状況を Twitter に流したり。

LP2 上の機体下部が隠れるのを敬遠されたのか、今回の湯での見学者は、マニアな諸兄よりも一般の方々のほうが人数的には多い感じ。もちろん、気合の入った人の装備は気合入っていますが。

聴取する無線からも、作業は順調との情報が伝わってくる。1330 頃、X マイナス 60 の GO 判断がでた模様。天候は快晴、風が冷たいものの打上げに支障するほどの強風は無し。

H-IIB F2 リフトオフ !!

H-IIB F2 定刻 14:37:57、リフトオフ ! やはり SRB-A 4 基付だけあって、見慣れた (ぇ) H-IIA よりも加速が鋭い。加えて、快晴の日中での打上げ、軌跡をどこまでも追いかけられる。こりゃ SRB-A 分離まで見られるか……と期待するも、風で流されたロケット雲か被ってしまい、湯からのアングルでは分離は見られず、これだけは残念。でも俺の経験した限り、日中の打上げでは過去最高のコンディション。やっぱり来て良かったぜ !

ちなみに、俺が種子島で見た打上げは、今回でちょうど 10 回目。

打上げ終わって

祝 H-IIBロケットの打ち上げ成功をお喜び申し上げます 湯から撤収後は、通行規制解除を待って TNSC へ。打上げ直後の LP2 の状況を確認。前回 TF1 のときもそうだったけれど、H-IIB の場合、機体固定位置がアンビリカルマストから離れているためか、SRB-A 4 基付にもかかわらず ML へのダメージは軽微に見えます。センターの外に出ると、茎永四叉路の横断幕は早くも祝賀バージョンに。毎度ながら、こちらも仕事早いねぇ。上中の幟はまだ打上げ前と変わっていなかったけど。

宿に帰還し、写真のバックアップを行った後は、恒例「打上げの打ち上げ」。行くはもちろん一条さんです。さすがに昨日からの疲労と寝不足は隠せず、宿に戻ったら日記の更新もせず速攻で寝てしまいましたとさ。